代表挨拶

代表あいさつ

心身ともに健康で楽しい生活が送れる社会の仕組みづくりを面白く

 みなさん、こんにちは。ソイル・コミュニケーション合同会社代表社員の松田文雄と申します。

 私は雑誌編集者、ソフト会社の仕事を経て、立命館大学の産学連携部門で仕事をするなかで、生命科学部の久保幹教授が開発した農業の土づくりの技術、SOFIX(土壌肥沃度指標)と出会いました。この技術は、農業にとってもっとも重要な土壌微生物の活動を数字で「見える化」し、有機農業の土づくりにたいして科学的な処方箋を出すことができる画期的な技術です。さらに、持続可能な社会づくりへむけて大きな可能性をもった技術であると感じました。そのため、このSOFIX技術を普及するため、一般社団法人SOFIX農業推進機構の立ち上げにかかわり、2018年4月からは立命館大学を退職して、同機構の理事・事務局長として活動してきました。

 この間の活動のなかで、農村の人口減少や担い手不足、気候変動、土壌病害の深刻化、化学肥料や農薬の高騰など、日本の農業が直面する深刻な実態を目の当たりにしてきました。その一方で、新鮮で、美味しく、安心・安全な旬の農産物を消費者のみなさんに届けたいと奮闘する農家さんや、新たなチャレンジをされる新規就農者の皆さんと出会い、その熱い思いに感動し、共感してきました。また、農業生産者の皆さんが抱える様々な悩みや課題にたいして、SOFIX技術を活用しつつ、農家さんや企業、自治体の皆さんと知恵を出し合い、ときには手痛い失敗もしながら、土壌病害の克服や堆肥・有機資材の活用、収量・品質の向上、コスト低減、お酒やジュース等の新商品の開発などのサポートをすることができました。このなかで、農業にとっては「土づくり」が基本であり、そこが様々な問題解決の出発点となること、それが未来に繋がる持続可能な農業の出発点となることを確信するに至りました。

 61歳となった2022年4月末をもって一般社団法人SOFIX農業推進機構を退職させていただきました。この間、一緒にお仕事をさせて頂いた皆様に改めてお礼を申し上げます。

 その後も、SOFIXを活用した有機農業や循環型農業の取組をライフワークとして継続していくために、2022年5月に個人事業としてソイル・コミュニケーションズを立ち上げ、SOFIX農業推進機構より特許実施許諾を受けて活動を開始しました。そして2023年3月には、この事業を法人化して、ソイル・コミュニケーション合同会社を設立いたしました。

 また、2022年8月より、ご縁があって奈良女子大学と奈良教育大学を運営する国立大学法人奈良国立大学機構の産学連携部門の総括コーディネーターとしての仕事をさせて頂いています。

 私自身、2018年に前立腺がんの診断を受け、その治療を受けました。このなかで、あらためて食を見直し、食のところから自然免疫力を高めることの重要さを身をもって痛感しました。近年、大腸内の微生物叢が人間の自然免疫力に大きな役割を果たしていることが注目されています。また、腸内の微生物の動きと土壌内の微生物の動きが良く似ているとされています。土壌微生物が活発な健全な土壌からとれた、健康な農産物を多くの人々がいつでも手軽に手に入れ、心身ともに健康で楽しい生活を送れるような社会の仕組みづくりに貢献していきたい。これが、私の願いです。

 ソイル・コミュニケーション合同会社は、農業の基本「土づくり」から持続可能な社会を実現することを基本理念として、同じ志を持つ、農家、企業、自治体、NPOの皆さんと伴走型で、SOFIXを活用した土壌分析、診断、農業生産者と消費者との連携、地域の活性化などの事業に楽しく取り組んでいきたいと考えます。「楽しく」はキーワードです。

 今後ともよろしくお願い致します。

松田文雄

まつだぶんゆう

  • ソイル・コミュニケーション合同会社
    代表
    社員
  • SOFIX診断士
  • 国立大学法人奈良国立大学機構
    奈良カレッジス連携推進センター
    副センター長
    産学官連携部門 総括コーディネーター
    奈良女子大学
    社会連携センター 特任教授
  • 元一般社団法人SOFIX農業推進機構
    理事・事務局長