校庭芝生化で学ぶ!地球温暖化対策と炭素貯留ー日本エネルギー環境教育学会で探求学習を提案

2026年8月7日(金)から9日(日)にかけて、山梨大学甲府西キャンパスにて「日本エネルギー環境教育学会第20回大会(山梨大会)」が開催されました。本大会には、エネルギー・環境教育に関心を寄せる小学校・中学校・高等学校の教員、大学・研究機関の研究者、社会教育関係者、関連企業の担当者など、幅広い立場の方々が参加されました。

最終日となる8月9日(日)には、神戸学院大学客員教授の渡会英明氏と当社代表である松田文雄(奈良女子大学特任教授)が、「校庭の芝生化による地球温暖化対策に関する探究学習の提案」と題して口頭発表を行いました。

校庭の芝生を炭素貯留の生きた教材へ

本発表では、校庭の芝生化を単なる環境整備ではなく「生きた教材」として捉え、生徒が主体的に地球温暖化対策を学ぶ「ゼロカーボン・プロジェクト」を提案しました。芝生化には外傷リスクの軽減や地温低下、心理的効果といった従来から知られる効果に加え、CO2貯留という新たな教育的価値があることに着目しています。

これまで温暖化学習は「遠くの地球」を対象とした座学が中心でしたが、本提案では自分たちの校庭を舞台に定量的データを扱うフィールドワークへとパラダイムシフトすることを目指しています。具体的には、生徒自身が日常の伝票データから学校運営に伴う燃料・電力などのCO2排出量(スコープ1〜3)を算出するとともに、芝生の光合成によって土壌に炭素が固定される「正味生態系生産量(NEP)」を定量化します。

科学的分析の中心となるのは土壌有機炭素(SOC)の変化であり、生徒自身が土壌採取や有機化層の厚さの計測を行います。先行研究では、芝生は造成直後ほど炭素を蓄えやすく、年2.0〜8.0t-CO2/haの増加率を示すことが報告されており、こうしたデータの裏付けをもとに、排出量と吸収・貯留量のバランスを可視化し、学校のカーボンフットプリントを生徒自身の手で計算する取り組みを紹介しました。

このような科学的根拠に基づく学びは、「自分たちの行動が地球を救う」という実感を伴った環境保全意識の醸成につながるものと考えられます。今後は複数校でのデータ蓄積を進めるとともに、校種や学年段階に対応したカリキュラムモデルの確立が課題として挙げられました。

会場からの質問と回答

発表後の質疑応答では、活発な議論が交わされました。

Q:炭素量を測るのが難しそうですが、外注すればいくらかかりますか。
A:1サンプルあたり1万円程度です。今後は、学校周辺の企業からサポートを受ける仕組みを検討しています。

Q:立木1本あたりの炭素蓄積量はわかりますか。
A:森となっている場所では計測結果がありますが、木がまばらな場合は1本ごとの算出が難しいのが実情です。また、土壌中の炭素量を測定する際には、木の周囲を深く掘る必要があります。

Q:ゴルフ場ではどのような方法でCO2排出量を削減していますか。
A:省エネ機器への入れ替え、太陽光発電の導入、重油ボイラーからバイオマスボイラーへの転換、刈芝を燃やさず土に戻す取り組みなどを実施しています。

おわりに

今回の発表を通じて、校庭の芝生化を教育と環境保全の両面から捉える新たな探究学習の可能性を示すことができました。今後も学校現場と連携しながら、実践的な環境教育プログラムの開発に取り組んでまいります。

詳細資料無料ダウンロード

お問い合わせ・ご質問

本記事へのお問い合わせなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。

\ 最新情報をチェック /