KSIIの「スタートアップコレクション」で当社の紹介を掲載していただきました

KSII(関西スタートアップコアリション)が作成する「KSII STARTUP COLLECTION」(以下、「スタートアップ・コレクション」)というオンライン・ブックに当社、ソイル・コミュニケーションの紹介ページを新たに追加していただきました。

下記のURLから「スタートアップ・コレクション」にアクセスし、112ページをご覧ください。
https://my.ebook5.net/ksii/StartupsCollection/

KSIIは、関西地域における大学発スタートアップ・エコシステムの形成と、ゼブラ(特続可能な成長により社会課類を解決するスタートアップ)の創出をめざして、関西の大学・経済団体・金融機関・自治体等の産官学金が参画して推進している事業です。もともとは、2020年9月に 経済産業省の「産学融合拠点創出事業産学融合先導モデル拠点創出プログラム(JーNEXUS)」に採択されてはじまった事業ですが、経済産業省による補助期間が2025年3月末で終了したことをもって、4月以降は本事業の創出エリア支援機関である公益財団法人都市活力研究所による自走化した事業となっています。

今回、当社を加えていただいた「スタートアップ・コレクション」は、関西域の大学発スタートアップを見える化し、広く産業界・金融・ベンチャーキャピタル等へ発信することで、スタートアップ各社との協業・支援機会のさらなる創出を目的としています。

当社の掲載ページは、PDFでダウンロードしていただくことも可能です。

<ダウンロード方法>
「スタートアップ・コレクション」を開く
・P112を開く
・左上のメニューボタン(三本線がある青いボタン)をクリック
・ダウンロードボタン(下矢印ボタン)をクリック

この機会に、多くの方々との出会いとコラボレーションがあることを願っています。




学校の校庭の芝生化による炭素貯留の効果を学術論文として発表—神戸学院大学の研究チームに当社も参加

 神戸学院大学の現代社会学部の菊川裕幸講師を中心に当社も参加する研究チームがまとめた「学校校庭の芝生化による炭素貯留の効果」についての学術論文が国際学会誌「International Turfgrass Society Research Journal(国際芝生協会研究ジャーナル)」に掲載されることが決まりました。菊川講師らは7月12日から16日まで、長野県軽井沢町で開催される国際芝草研究会議2025(International Turfgrass Research Conference 2025、略称ITRC2025)でポスター発表を行います。

 この研究チームは、菊川講師のほか、同大学の渡会英明客員教授、江田英里香教授と当社代表の松田文雄(奈良女子大学教授を兼任)で構成しています。

 研究は2022年よりアーバンイノベーション神戸による助成を受けて実施。2022年から2023年にかけて兵庫県神戸市内で校庭芝生化に取り組んでいる8カ所の小学校を対象に、芝地および裸地の土壌を採取し、炭素貯留量の測定を行いました。

 また、芝生化された経過年数や土壌の有機化の状況も調査し、年次間の変動が明らかになるようアンケート調査を試みました。その結果、校庭を芝生化することで裸地よりも全炭素量は大幅に増加することが分かり、校庭芝生地の年間炭素貯留量も合わせて推定することができました。このことから、学校校庭の芝生化には炭素貯留の効果が一定あることを明らかにしました。

 菊川講師は「国際芝草研究会議での発表を経て、さらに研究を発展させ、神戸市内外への学校校庭芝生化の推進に寄与したいと考えています」と話しています。

 学校の校庭の芝生化の効能としては、これまで子供たちへの教育効果、大気の浄化・高温化防止、砂塵防止など環境効果、学校と地域とのコミュニティ効果などが挙げられてきました。これに加えて、校庭の芝生化による土壌への炭素貯留があれば、2050年のカーボンニュートラルの目標達成へ向けて、温室効果ガスの吸収源の一つとしても貢献することになります。当社は、土壌診断の技術を活用して、引き続き神戸市以外の地域の学校校庭や公園での芝生の炭素貯留の効果についてもさらに実証実験を進めていく計画です。ご興味のある方はお問い合わせください。

土と水の保護を通じた持続可能な生活環境の創造、地域活性化、文化の継承へ向けて”食ecoミュージアムJAPAN計画”始動へ

 2月21日(金)午後、大阪で「暮らしの味わい講座」が開催され、当社代表の松田がゲスト講師として、「水と土の養生で暮らすまちづくり」をテーマにお話をさせていただきました。

 主催は、料理研究家・土井勝さんのご長男である土井敏久先生が中心に立ち上げているライブフーズ推進委員会。昨年9月30日に当社主催で、一般社団法人日本養生普及協会および一般社団法人ライブフーズのご協力で開催した「土と水と養生で暮らすまちづくり」のイベントのご縁で、お招きいただきました。

 ライブフーズ推進委員会では、今後、”食ecoミュージアムJAPAN計画”という事業を本格的に始動しようとしています。この事業では、次のような目標をかかげて、DAO組織も作ることも構想中です。

・自然環境の保全:土壌と水脈の保護を通じて持続可能な生活環境を創造する

・地域活性化:地元の産業やコミュニティの活性化を促進し、衣食住のインフラ整備を進める

・文化の継承:日本の伝統的な食文化や生活様式を次世代に継承するための施策を講じる

 今回は、まちづくりを進める近藤建設さん、大阪府唯一の村・千早赤坂村の農家さん、造園屋さん、野菜のソムリエの方など少人数ですが様々な方が参加されていていました。

 会では土井敏久先生から、これから取り組むソーシャル・ビジネスの構想の説明、近藤建設さんから有機的な「アクアポニックス」による地域活性化の提案、私の方から、健康な土壌から健康な農産物ができる原理と土壌診断技術SOFIX(土壌肥沃度指標)の紹介など様々な角度から問題提起が行われました。

 そのあと、土井さんの「なのな」のお弁当を頂きながら意見交換をしました。

有機農業と「農的な生活」が切り開く持続可能な未来社会の可能性ついて語り合う――三重短期大学地域連携講座

 当社代表の松田文雄が2024年11月30日、津市立三重短期大学の「地域連携講座」.で、「持続可能な未来社会の可能性を切り開く有機農業や”農”的な市民生活」をテーマに1時間半お話をさせていただきました。この講演会は8月31日に開催予定でしたが、台風のため急遽延期となり、3か月遅れでの開催となりました。約50人の方々に参加頂きました。

 講演では、まず最初にコメ価格の高騰などに象徴される日本の農業が抱える課題にふれたうえで、新たに注目をあびている有機農業とは何かを明らかにしたうえで、その土づくりの指標となっているSOFIX(土壌肥沃度指標)についても説明しました。

 最近の動きとして、プロ農家のなかで、より良い農産物の生産、消費者との連携、地域活性化をめざして有機農業や循環型農業を取り組む動きが強まっていることについて触れたうえで、その具体的事例として、ファーム&ガーデンIGAさんと福岡県朝倉市の果樹園復活プロジェクトの取り組みを紹介しました。
 
 同時に一般市民の中でも、東日本大震災、コロナ・パンデミック、気候変動、ストレスフルな生活を経て、「大量生産・大量消費」の持続不可能な社会、ライフスタイルに疑問を持ち、「農的生活」を志向する人々が増えていることについて触れ、具体的事例として、NPO法人京都土の塾やよしの農林業週末塾などの活動を紹介しました。

 そして、プロ農家の有機農業の取り組みや一般市民の「農的生活」の活動は、「社会の主流とならないまでも、社会のサブシステムとして、確実に大きなウネリとなり、社会にたいして大きなインパクトを与えている」として、これらが、「持続可能な未来社会へとつながっていく可能性はあるのかを皆さんと一緒に考えていきましょう」と呼びかけました。

 講演後、参加者の皆さんとともに活発な質疑応答やディカッションをさせて頂きました。

季節の料理、養生、土づくり、その先に社会があることを実感ー「土と水と養生で暮らすまちづくり」のイベントに34人が参加

 「土と水と養生で暮らすまちづくり—季節の家庭料理と郷土料理から考える会」が9月30日(月)18:30~ コミュニティキッチンDAIDOKORO(京都信用金庫の共創施設QUESTION8階)で開催され、34人の方々に参加いただきました(主催者・スタッフを含めると45人)。季節の料理を楽しみながら、土と養生、お料理、農業や健康のあり方、環境問題、まちづくり、あらたなビジネスの可能性について語りあう場として当社が企画し、一般社団法人日本養生普及協会様一般社団法人ライブフーズ様の協力のもとで開催されました。

 第一部「農と養生、まちづくりをお料理から考えるトークセッション」では冒頭、料理研究家・土井勝氏のご長男であり、お料理プロデューサーの土井敏久氏が、鰹節と昆布をベースに家庭でも簡単に作れる「二番だし」を参加者の皆さんに飲んでもらい、その美味しさを実感してもらいながら、「二番だし」のつくり方を実演しました。そして、「二番だし」を手作りすることを通して、人と人との対話をしていくことの重要性をつたえました。 

「二番だし」のつくり方を実演する土井敏久さんと伊藤佳世さん
「二番だし」を飲んでみる

続いて、明治国際医療大学・伊藤和憲教授より、東洋医学の「養生」という考え方では、季節の食材にその季節に必要な栄養素が含まれていると考えており、その季節の走りの食材を取ることで、身体を準備することが大切と考えられてきたことが解説され、この日の料理に料理に含まれる素材が、冬に備えて身体を準備するものになっていることが強調されました。そして、今日の病気には社会的要因も大きいとして、「養生」を基本とした地域社会づくりをとして、貧富の格差を含めた社会問題の解決をめざしていく構想がしめされました。

「食と養生」についてお話する伊藤和憲明治国際医療大学教授

 最後に、当社代表の松田より、季節の旬の野菜をはぐくんでいく上で、土壌中の有機物の量やバランス、微生物が重要であることが解説され、土壌の健康診断の指標としてのSOFIX(土壌肥沃度指標)の概要やその事例などがが紹介されました。そして、「土づくり」にこだわった農業と旬の農産物を基本として、人々が心身ともに健康な生活を送れる地域づくり、「土と水と養生で暮らすまちづくり」をよびかけました。

「健康ライフを支える土壌づくり」についてお話する当社代表・松田文雄

 第2部「季節の料理を楽しむ」では、土井敏久さんプロデュースの季節のお料理を楽しみながら、参加者同士で和やかに意見交換しました。

 『実りの秋!養生美健のお献立』

⚪︎秋刀魚の柚子香焼き
⚪︎栗と豚肉の煮物
⚪︎海老のらくがん
⚪︎菊菜としめじの煮浸し
⚪︎里芋のみそ田楽
⚪︎ぶどうのおろし和え
⚪︎新米ご飯
⚪︎お吸い物

季実りの秋!養生美健のお献立
参加者同士で和やかに交流

養生や健康を作るのは個人だけでなく、社会全体で取り組むことという考えに共感–参加者の感想から

 参加者へのアンケートでは多くの感想が寄せられました。その一部をご紹介します。
 参加いただいたみなさんに改めてお礼申し上げます。

〇恥ずかしながら若い頃に養生を学んだときは表面のさらに表層だけで「季節のものを食べて体を養おう」くらいしか理解できてなかったのですが、年の重ねた今、今回のお話を聞いて、「養生は自分という体、体は肉体であり、その先に社会、社会の取り組みあり、それが世界を作っていくこと」ということが何となく体感として分かったような気がします。一朝一夕ではなく、日々の取り組みとして「出汁のとる」=世界を支えていく、ということを実践していきたいと思います。ありがとうございました。

〇有意義な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。家庭料理は和やかなコミュニケーションの潤滑油になるのだなと感じました。養生や健康を作るのは個人だけでなく、町や社会全体で取り組むことという考えに共感します。ありがとうございました。感想から

〇統合医療で世界の伝統医療を学んでいますが、日本人には日本人に合った養生法があると再認識できました。伊藤先生がおっしゃっていた現代版養生論を、看護師の立場で普及していきたいです。子どもが小さな頃は出汁にこだわって育児してきましたが、さいきん出汁をひかない重ね煮にハマって出汁のうまみを忘れていました。土井先生の二番だしをマスターしたいと思います。松田先生の土と水と養生のご講義、食の根底にある自然界との調和や、土壌ミネラルの重要性、この認識を農家さんや農業関係のみなさんと共有できたことで、真の健康や養生を理解することができ

〇養生の深い意義が理解できました。

〇養生、日本の節句、もう一度見直す必要があると思いました。食材の組み合わせ方は非常に勉強になりました。

〇今回のように美味しい食事があると、実践に繋がるので有難いです。

〇季節ごとに参加したい

〇とても勢いを感じました。美味しいお食事も頂き心豊かになりました。出汁に関して難しい事は考えず昆布出汁は取っていましたが、二番出汁の取り方をお聞きして作ってみようと思います。

〇家庭料理に凝縮された暮らしの知恵、土づくりの大切さ、季節への感性、改めて体感いたしました。

〇地域の方々との交流を含めたその地ならではの多様な展開を期待しております。

、家族に食事を提供しております。手作りを心がけてますが、出汁は顆粒にたよってました。こうしなければならないではない、ゆるい2番出汁は、いろんな可能性があると感じました。ありがとうございます。

〇家族に食事を提供しております。手作りを心がけてますが、出汁は顆粒にたよってました。こうしなければならないではない、ゆるい2番出汁は、いろんな可能性があると感じました。ありがとうございます。

〇高齢者の多くは、食事作りがしんどいと言われます。高齢者の栄養はとても重要で、高齢者に焦点を当てたレシピ作り及びまちづくりに関心があります。


SOFIXを活用した果樹園復活プロジェクト(福岡県朝倉市)のロケ撮影を実施

ソイル・コミュニケーション合同会社は、かねてより福岡県朝倉市で、2014年前の九州北部大水害で使えなくなった果樹園を再生するプロジェクトのお手伝いをしています。土砂崩れなどで荒廃した土地を整地し、流亡した有機物や肥料成分を補い、新たに桃やスモモの苗木を植えるにあたり、SOFIX(土壌肥沃度指標)による土壌診断を活用して頂いています。このプロジェクトを取り組んでいる原田淳一さんは、再生した果樹園を、将来的にはお客さんが桃やすももだけでなく、四季の旬の食べ物や、収穫体験、キャンプなどを楽しみながら心身ともに健康となる「養生」のコンセプトとした観光農園にすることを構想されています。

 このたび当社は、こうしたプロジェクトを広く社会に発信していくためのプロモーションビデオを作成するため、9月14日〜15日、福岡県朝倉市の原田さんの果樹園でロケ撮影を行いました。

 協力して頂いたのは、369(ミロク)ラボの藤添尚子さんです。藤添さんに本プロジェクトのコンセプトをご理解いただいた上で、藤添さんのディレクションのもとで、原田さん、当社代表の松田の3人で果樹園中を歩き回り、ああでもない、こうでもないと議論しつつ、撮影しました。

 今回のプロモーションビデオの作成は、9月30日に開催する「土と水と養生でくらすまちづくりー季節の家庭料理と郷土料理から考える会」のイベントとも連動しており、「土と水と養生」を基本としながら、様々な方と連携して、まちづくりや地方創生、地方から新たな農業やビジネルを生み出していくという方向で取り組んでいます。

【参加者募集】9/30 土と水と養生で暮らすまちづくり—季節の家庭料理と郷土料理から考える会

 ソイル・コミュニケーション合同会社は、「土と水と養生で暮らすまちづくり—季節の家庭料理と郷土料理から考える会」を9月30日(月)18:30~ 京都市役所のすぐ近くにあるコミュニティキッチンDAIDOKORO(京都信用金庫の共創施設QUESTION8階)で開催します。旬のお料理を楽しみながら、土・水と養生で暮らすまちづくりについて語り合いましょう。

 伝統的な健康法である「養生」とは、季節にそった旬の食べ物を頂き、家族や友人、近所の方や仕事仲間と良好な人間関係を築き、健康で美しく、楽しく生きることです。そのためには、土づくりにこだわり、地域の地形や気象条件に根差した農産物が不可欠です。そして地域の旬の食材をつかって心を込めてお料理をつくり、誰かと一緒に食べることが大事です。お料理や農業、健康づくりを通じて、地域の人々がつながり、まちづくりに取り入れられていくことができます。

 季節の料理を楽しみながら、土と養生、お料理、農業や健康のあり方、環境問題、まちづくり、あらたなビジネスの可能性について語り合ってみませんか。

 日 時: 2024年9月30日(月) 18:30~20:30
 場 所: コミュニティキッチンDAIDOKORO
      京都市中京区下丸屋町390−2 QUESTION 8F 
 参加費: 6,600円(税込) 季節のお料理代含む
 参加申し込み:

 簡単に手づくりのお料理が、毎日作れる、二番だしが世界をつなげれる、養生美健の調味料『二番だし』を作り、味わっていただきます。

【プロフィール】
お料理プロデューサー
一般社団法人ライブフーズ代表理事
料理研究家土井勝氏の長男として大阪に生まれる。
家庭料理、郷土料理の大切さを伝えながら、地域の食生活文化向上をめざし、「仕事づくり、暮らしづくり、町づくり」の食事産業界と自然産業界の中で、家庭教育をコアに、社会貢献型のビジネスのプラットフォーム『食ecoミュージアムJAPAN』町upプロジェクトを推進している。

 健康の基本は身体です。そして、身体を作るのも心を落ち着かせるのも食べ物の中にある栄養素が基本となります。特に東洋医学では季節の食材にその季節に必要な栄養素が含まれていると考えており、その季節の走りの食材を取ることで、身体を準備することが大切と考えられてきました。

 特に秋は収穫の時期であると共に、冬に備えて身体を準備する時期です。そこで、今回は季節の食材を取り入れながら、冬に向けてどのような身体の準備が必要なのかについてお話をしたいと思います。

【プロフィール】
明治国際医療大学鍼灸学部長・教授、同大学院鍼灸学研究科 研究科長・教授
一般社団法人 日本養生普及協会 会長
京都丹波ウェルネスツーリズム推進協議会会長
京都府南丹市文化観光大使
 東洋医学における効果効能の科学的な立証を目指すと共に、同大学付属治療院にて治療にあたる。自身が大病を患った経験から、日常生活の中に健康を取り入れる大切さを知り、季節に応じた生活である養生の啓蒙活動にも積極的に取り組む。2018年より同大学院に養生学の学問的基礎を構築する寄附講座を開講。京都府南丹エリアを中心に養生を基盤とした街づくりに力を入れている。著書に『今日からはじめる養生学』(集英社)などがある。

 それぞれの地域の風土や季節にあった美味しい食材を提供することで人々の健康ライフを支えているのが農業です。この農業にとって、もっとも大事なことの一つは「土づくり」です。しかし、土の中でおこっていることは目で見えないので、「土との対話」(ソイル・コミュニケーション)は簡単ではありません。

 今回は、土壌の中でおこっていることを数字で「見える化」し、土壌中の微生物が元気になる環境を整える処方箋をだすことができるSOFIX(土壌肥沃度指標)という技術とその活用事例をご紹介し、「土との対話」について皆さんと考えたいと思います。

【プロフィール】
ソイル・コミュニケーション合同会社 代表社員
奈良国立大学機構 奈良カレッジズ連携推進センター副センター長 兼 協働推進部門長、奈良女子大学特任教授
雑誌編集者、ソフト会社、立命館大学産学官連携コーディネーター、一般社団法人SOFIX農業推進機構を経て、現職。
私自身も、2018年に前立腺がんの診断を受け、食のところから自然免疫力を高めることの重要さを身をもって痛感した。土壌微生物が活発な健全な土壌からとれた、健康な農産物を多くの人々がいつでも手軽に手に入れ、心身ともに健康で楽しい生活を送れるような社会の仕組みづくりに貢献していきたいと考えている。

 地元農家が土づくりにこだわって生産した季節の野菜を使って、土井敏久さんの季節のお弁当を楽しみます。
 参加者同士で意見交換し、名刺交換して、仲間づくりをします。

■主催 ソイル・コミュニケーション合同会社
■協力 一般社団法人日本養生普及協会
     一般社団法人ライブフーズ
    チャコールクラブ
    369lab.

■参加費: 6,600円(税込み) 「季節のお料理代」を含む

■参加申込方法: 下記のPeatix(推奨)または本HPのフォームから申し込んでください。
 ※申込期限 9月27日(金)
 ※キャンセルも9月27日(金)までにお願いします。それ以降は返金致しかねます。

「京都ならではのフードテック」をめざす連絡会議に参加

 8月29日(木)、「持続可能な循環型農林水産業を考える」をテーマにして、京都フードテック研究連絡会議の第1回セミナー&交流会が京都リサーチパークで開催され、当社も会員として参加しました。

 京都フードテック研究連絡会議は、京都府農林水産技術センターがよびかけて最近発足したものです。これは、こんにちの農林水産業の課題ーー労働力不足、消費者志向の多様化、気候変動の作物への影響、荒廃農地の増加、ブランド競争の激化、環境意識の高まり等にたいして、「京都ならではのフードテック」で課題の解決を目指すことを目的としています。

 では、「京都ならではのフードテック」とは何かというと

 ・小規模経営体が中心(少量多品種・高品質)
 ・和食文化(健康志向の高まりから世界的にも評価)
 ・特色ある企業や大学が集積(「知の利活用」が可能)
 という京都の地域的な特徴を活かしたフードテックということになります。

 そのため、京都フードテック研究連絡会議では、現場の潜在的なニーズの収集と把握を行い、大学や企業との連携で共同研究体制を構築し、地域ニーズに対応する研究開発と迅速な社会実装を行うことを活動内容としています。

 そのキックオフイベントとなった第1回研究会議では、第1部(セミナーセッション)で次のような講演が行われました。

 ア 基調講演
 「循環型農林水産業の実現へ!~ゼロカーボンの視点から~」
   京都大学工学部 教授 沼田圭司 氏

 イ 話題提供
  1「持続可能な漁業について~海洋センターでの取り組み~」
    京都府農林水産技術センター海洋センター研究部長 宮嶋俊明 氏

  2「閉鎖型環境循環アグリシステムについて」
    株式会社未来食研究開発センター 取締役 武田征士 氏 、

 第2部(意見交換・交流会)では、参加者がいくかのグループに分かれて、15分ごとにグループを移動しながら話し合う「ワールドカフェ」方式で、お互いの技術やこれからやりたいことを発表し合い、意見交換しました。

 当社としては、基盤技術であるSOFIX(土壌肥沃度指標)について説明するとともに、土づくり×養生で地域活性化をはかろうという構想についてお話しました。 府の農林水産技術センターや大学の先生のなかにはSOFIXのことをご存知の方もおられて、大変ありがたかったです。

 今後とも、こうしたプラットフォームにも積極的に参加しながら、土づくりをつうじて地域活性化に貢献していきたいと考えます。

台風により延期⇒【予告】当社代表が三重短期大学地域連携講座で講義

 テーマは、「持続可能な未来社会の可能性切り開く有機農業や”農”的な市民生活」です。

 農業就業人口の大幅減少・高齢化、農薬・化学肥料の多用による土壌の疲弊、猛暑などの気候変動による農産物の成育不良、農薬・化学肥料・燃料等の高騰などがすすむなかで、プロ農家のなかでも、より良い農産物の生産や地域活性化をめざして有機農業や循環型農業を取り組む動きが強まっています。政府や自治体も「みどりの食料システム戦略」などで、これらの動きをバックアップしています。

 また、農家でない一般市民のなかでも、東日本大震災、コロナ・パンデミック、気候変動、ストレスフルな生活を経験して、「大量生産・大量消費」の持続不可能な社会、ライフスタイルに疑問を持ち、「農的生活」を志向する人々が増えています。

 今回は、そうした動きを、いくつかの具体的事例をもとにして紹介し、それらが持続可能な未来社会へとつながっていく可能性について参加者とともに考えます。

 なお、有機農業を取り組むプロ農家の事例のなかでは、SOFIX(土壌肥沃度指標)技術を活用した事例も紹介しています。

 三重短期大学地域連携講座は、どなたでも参加できます。参加申し込み等は、下記の三重短期大学地域連携センターまでお問い合わせ願います。

 ・演題:持続可能な未来社会の可能性切り開く有機農業や”農”的な市民生活
 ・講師:松田 文雄
     (ソイル・コミュニケーション合同会社代表社員、奈良女子大学特任教授)
 ・日時:2024年8月31日(土) 13時30分~15時00分
 ・場所:三重短期大学 校舎棟4階41番教室
 ・案内:大畑 智史(法経科 教授)

〒514-0112 津市一身田中野157番地
三重短期大学 地域連携センター
(TEL)059-232-2341(FAX)059-232-9647
(Email)232-2341@city.tsu.lg.jp

三重短期大学地域連携講座のページ

気候変動等に対応した品種を開発ーータキイ種苗

 7月3日(水)、タキイ種苗(株)が運営するタキイ研究農場(滋賀県湖南市)の見学会の参加しました。この見学会は、京都種子(タネ)と食の安全を守る会準備会がよびかけたもので、約20人が参加しました。

 農業生産にとって重要な種子の研究開発や生産がどのように行われているかを実際に見学しようというのが趣旨でした。

 タキイ種苗は、天保6年(1835年)に大森屋右衛門(初代瀧井治三郎)が優良な在来種を採取し、希望に応じて分譲を開始したのが始まりです。その後、世界的な種苗メーカーとして成長しています。

 タキイ種苗はそれぞれの時代のニーズに応じた種苗の品種改良のための研究開発に力を入れています。この滋賀研究農場は全体で70haの広大な敷地があり、そのうち30haが実験圃場となっています。研究農場や試験地は、滋賀のほか全国に5箇所あります。

 見学会では、まず本部棟で技術顧問の岸田英三さんからタキイ種苗の取り組みついて解説していただきました。

 タキイ種苗が研究開発で現在、力をいれていることは、①気候変動のあわせた品種の開発、②病気に強い品種の開発、③リコピン、アントシアニン、ペクチンなど機能性成分の含油量の多い品種の開発などです。これらの品種の開発のため、DNAマーカーを使った選抜やゲノム情報に基づくデザイン育種を行っていますが、遺伝子組替は行っていないということでした。その理由は、消費者や生産者から受け入れられないからということでした。

 種苗の生産は、おもに海外でおこなっているとのことでした。たとえばホウレンソウであればデンマーク、玉ねぎであればイタリア北部やギリシャなど。それぞれの野菜にあった気候があることと、労働力が確保できることがそれぞれの理由です。

 さらに徹底した品質管理により、高品質の種苗を生産者に届ける活動をしているということでした。

 参加者からの「減農薬で野菜を育てる方法」について質問に答える形で、岸田さんからは食用の納豆のの残りから納豆菌を培養して、水で100倍希釈する方法や食用の酢をもちいる方法窓も紹介されました。

  そのあと、実際の栽培実験をおこなっている、トマト、なすび、トウモロコシ、オクラ、ズッキーニなどのハウスや圃場などを見学しました。