気候変動等に対応した品種を開発ーータキイ種苗

 7月3日(水)、タキイ種苗(株)が運営するタキイ研究農場(滋賀県湖南市)の見学会の参加しました。この見学会は、京都種子(タネ)と食の安全を守る会準備会がよびかけたもので、約20人が参加しました。

 農業生産にとって重要な種子の研究開発や生産がどのように行われているかを実際に見学しようというのが趣旨でした。

 タキイ種苗は、天保6年(1835年)に大森屋右衛門(初代瀧井治三郎)が優良な在来種を採取し、希望に応じて分譲を開始したのが始まりです。その後、世界的な種苗メーカーとして成長しています。

 タキイ種苗はそれぞれの時代のニーズに応じた種苗の品種改良のための研究開発に力を入れています。この滋賀研究農場は全体で70haの広大な敷地があり、そのうち30haが実験圃場となっています。研究農場や試験地は、滋賀のほか全国に5箇所あります。

 見学会では、まず本部棟で技術顧問の岸田英三さんからタキイ種苗の取り組みついて解説していただきました。

 タキイ種苗が研究開発で現在、力をいれていることは、①気候変動のあわせた品種の開発、②病気に強い品種の開発、③リコピン、アントシアニン、ペクチンなど機能性成分の含油量の多い品種の開発などです。これらの品種の開発のため、DNAマーカーを使った選抜やゲノム情報に基づくデザイン育種を行っていますが、遺伝子組替は行っていないということでした。その理由は、消費者や生産者から受け入れられないからということでした。

 種苗の生産は、おもに海外でおこなっているとのことでした。たとえばホウレンソウであればデンマーク、玉ねぎであればイタリア北部やギリシャなど。それぞれの野菜にあった気候があることと、労働力が確保できることがそれぞれの理由です。

 さらに徹底した品質管理により、高品質の種苗を生産者に届ける活動をしているということでした。

 参加者からの「減農薬で野菜を育てる方法」について質問に答える形で、岸田さんからは食用の納豆のの残りから納豆菌を培養して、水で100倍希釈する方法や食用の酢をもちいる方法窓も紹介されました。

  そのあと、実際の栽培実験をおこなっている、トマト、なすび、トウモロコシ、オクラ、ズッキーニなどのハウスや圃場などを見学しました。